国民に問う、明日の10万か10年後の100万か?
これは結構難しい問題なんじゃないかと思う。
前回は暗号通貨という観点から日本の税制に一部言及した
して記事の中頃に“自国の通貨”の安全性について記述させてもらった。
日本の場合ジンバブエと違いデフレが問題視されているが、まずなぜデフレがいかんかというと…
デフレの問題
極端な例で行けば2,000万円で家を建て同額借入を起こしたとする。
物の価値は下がり続けるため建物の価値が1,000万円になってしまえば比較で借入は2,000万円残り、家は1,000万円の価値になってしまう。
つまり借入がある人格が負担する借入額が実質的に負担増となってしまう。もちろんここでいう人格には法人も含まれるため、借入をしている法・個人全員が価値がそれを使って投じた物やサービスの価値は半減してしまっているにもかかわらず額面通りの金額を償還しなくてはならないためじわじわと借入返済の負担が実質的に上がるわけだ。
しかし、借入がない人も安心するなかれ。
返済財源を捻出、もちろん資金を残し事業を拡大するために法人は運営しているわけであるがデフレによりリターン(売り上げ)が少ない状態で借入を償還していけば資金繰りは苦しくなっていく。つまり最終的に給与のベースが下がるといった事態に及ぶ可能性もある。まあ借り入れがある人格より受ける被害は少ないだろうが…持ち家のフルローンの持ち家等だと一番被害を被るわけだ。
要は物の価値と金の価値がじわじわでも継続的にずれていくことが問題なのさね。
日銀が掲げる物価上昇率2%は可能か否か
見れば分かるが、バブルが完全にハネた後平成20年麻生太郎が政権を握った年と消費増税があった年を除き見事に横ばいないし、下落の一途をたどっている。
政権交代が起こるたび、“デフレ脱却”“円高に歯止めを”と謳ってはいるが、その結果がこれである。そして無くならない議員年金
国民としては正攻法の政策ではデフレ脱却は無理じゃない?と思っちゃうわけです。
一応アベノミクスではテコ入れを始めて効果が出始めるのは2019年ごろと指針を示してはいるが消費増税の時期と被っており、実質的に物価上昇しているのか消費増税前の特需によるスポット的な上昇なのかが測り難い時期である(狙ってるのか?)。
昨今の株価上昇の一翼を担っているであろう日銀から国債経由で民間企業に金をまくのは構わないし、その資金で消費が活性化されるのは手段として間違ってはいないと思う。そして政策自体には僕自身否定的ではない。
ただそれは対症療法であって状態療法ではないのかなと思う。現状金をばらまいた結果日経平均株価は上がり、上場企業は潤沢に資金を得ることが出来ただろう。
しかし株は水物である。日銀が借金で金を投じ引き上げた株価も海外投資家が売りに走れば黒田がやりたがってる“株価上昇神話”は崩れてしまうんだよね。
そして間接的には引き上げに新規発行された国債がまた焦げ付く。背水の陣の政策を打って出たなぁとは思う。
マイナス金利も大して物価上昇然り、金の巡りを良くするには至らなかったから仕方ないんだろうが。
http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf
上記リンクから見られる国債の保有者割合から見ても日本が置かれてる状況が垣間見える。
国庫短期証券(割引債)の1年以内償還の国債を国外投資家が過半数を買っている。逆にある程度中長期の国債に関しては5%程度しか買われていない。
加え1年以内償還の国債であるため泣いても笑っても112兆円は償還しなくてはならない。しかも過半数は国外投資家に。
つまり諸外国の評価は短期的には努力目標は達成できるかも知らんが、中長期的には改善の見込み薄と評価されてるってことだよね。見立てだけど、消費増税の特需の件がなければ物価上昇率2%なんて夢のまた夢。歴史も物語ってるよ。
資産課税を強くしろ!
日本の資産保有率の60%超は60歳以上の方々が塩漬けにしている。
現役世代が給与でやりくりして貯めている1.5倍の資産を余生を過ごしている方がホールドしている訳だ。
それが収益物件であったり、所得、というより税を生む資産であれば問題ないだろう。
余生を過ごす方々にとってしてみれば、“現役並みに稼ぐことが出来ないことから来る不安”や“子・孫世代に残してあげたい資金”という位置づけなのだろう。
富の再分配という観点で、確かに相続・贈与の税率自体は高くなった。
ただしそれに伴い、資産課税の抜け道も多くできていることもまた事実である。
父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし|パンフレット・手引き|国税庁
祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし|パンフレット・手引き|国税庁
がH27年より施行されている。
ここでポイントになるのが親ではなく“直系尊属”と明記されている点である。つまり富裕層は(贈与分を生きてるうちに使い切ること前提だが)一段飛ばしで一人頭2,500万円非課税の枠を設けてもらえていることとなる。
そしてスキーム的にも完全に富裕層の資金を課税せず下に流すシステムである。
中流家庭で2,500万円をキャッシュで信託銀行に預けられる家なんかめったにないだろうからね。
いかにも贈与・相続税あげて資産課税強くしましたアピールされましてもちゃんと逃げ道あるじゃんねw
相続をきっちり対策できなかった場合持ってかれるってだけ。生前贈与然り、10年かけてうまく仕組みを使えばかなりの相続だって節税はできるんだよね。だから富の再分配何てカッコいいこと掲げてるけど、天辺からは分配されないんだ。持てる人間は外部の税理士囲って対策するから。
むしろ小金持ちで現金なく換金するのが難しい固定資産持ってる人間が一番被害を被るのさね…(切実
ここからが超極論w資産課税ここに極まれり。
金が動かないなら、いっそ事業外預金有高+収入で所得税額出すようにすればリタイア組も多少預金から現金吐きだすんじゃないかな?せっかくマイナンバーで預金口座ひも付きになり始めてきたし。
そうすれば市場に資金が流入してくるから血の巡りもよくなって消費課税で税収増えるし、過剰だった預金で収益物件でも立ててくれれば所得税収も上がるしね。
まあこれはバッシング受けて当たり前のような行き過ぎた理論だとは思うけど、ここまでやらんと高齢層は金を吐き出さないと思うんよね。
しかし何故か下がる法人税率
今国が赤字国債発行してるのって結局税収が足りないわけで、税収で賄うか支出を減らすしか国債を減らしていく方法はないんだよね。
であれば法人税率を段階的に下げるという税制改正大綱はいかがなものだろうか?
利益追求が義務である法人課税を緩和して、個人課税から絞るってのは国策として如何なものかと…
付加価値税は一律だから低所得者の税負担は増えるし、富裕層から税収を絞るという方針から大分外れてるんだよなぁ。そして増税後の消費の冷え込みもあるだろうし…
だったら同族会社にも段階的に留保金課税を適応して配当金を吐き出させるとか、特別償却の条件を厳しくするとか利益追求義務ある法人課税も強めても良いと思うんだがなぁ…飴と鞭をやってられる財政状況でもないんだから、税制緩和とか誰が使うか分からない助成金とか取っ払って他の財源に回せばいいよ。高所得者向けには資産課税で絞る、加えて利益追求義務ある法人課税を強めるべきだろ…
あと、知ってる人だけ得をする助成金なんかなくしてしまえ!(シャウト
要件厳しすぎて中小零細は使いにくいんよ…数千万の設備投資なんか出来ないし必要がないんよね。
【まとめ】
かなり怒りに任せて書いたので纏まってないしお目汚しもあるかもしれませんが、今の日本は10年後の100万より明日の10万を取りにいかざるを得ない状態なのかなって感じてるから、しっかり改善されること切に願う。